脳と発達
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甲状腺機能亢進症の治療中 (euthyroid) に発症したchoreaの13歳女児例
横山 孝雄石川 達也坂 京子斉藤 久子
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1987 年 19 巻 5 号 p. 408-414

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抄録
甲状腺機能亢進症の治療によりeuthyroidとなった後にchoreaを発症した13歳女児例を報告した.
患児は入院約8カ月前, 甲状腺機能亢進症と診断され, propylthiouracil (PTU) にて治療を受け2カ月後に甲状腺機能は正常となり以後PTUの副作用も見られず良好なコントロールと思われた. しかし入院約3週間前より精神的落ち着きのなさが目立ち, 頸部と左半身を中心とした不随意運動が出現し甲状腺機能と関連したchoreaと考えられた. choreaは約2カ月の経過にて消失した.
甲状腺機能亢進症の初発症状としてchoreaが見られることが知られているが, 本患児の如くeuthyroidにて出現した報告はなく文献的考察を加えて報告した.
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© 日本小児小児神経学会
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