脳と発達
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19 巻 , 5 号
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  • 長畑 正道
    1987 年 19 巻 5 号 p. 362
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 真理, 吉岡 邦浩, 柳澤 融, 鈴木 俊彦, 藤原 雅之, 橋本 さち子, 斉藤 樹美子
    1987 年 19 巻 5 号 p. 363-370
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    50例の成熟新生児, 乳児に頭部超音波断層法を施行し, 後頭蓋窩の正常所見について肉眼解剖所見と対比して検討した. 後頭蓋窩の脳実質, 脳室系, 脳槽, 主要血管を明瞭に観察できた. 各小脳小葉, 後下小脳動脈, ガレン静脈は多くの例で同定しえたが, 小脳片葉, 第IV脳室前外側陥凹, 前下小脳動脈はしばしば同定困難だった. 第IV脳室室頂と後外側陥凹は混同しやすかったが, 鑑別可能だった. 側頭骨鱗状部よりの冠状断は中脳水道, 第IV脳室の観察に有用だった. また, 脳実質の各構造, 各脳槽のエコー強度に関して若干の考察を行った. 後頭蓋窩の正常所見の詳細な把握は同部の種々の病変の検出率の向上に重要と考えられた.
  • 宇都宮 英綱, 林 隆士, 橋本 武夫, 西見 寿博, 中村 康寛, 本田 英一郎
    1987 年 19 巻 5 号 p. 371-378
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    最近, 我々は典型的三角頭蓋 (trigonocephaly) を呈した13 trisomyの3例を経験したので三角頭蓋の神経放射線学的特徴, 遺伝的背景, 臨床像について文献的考察を加え報告する.
    症例は3例とも多彩な変質徴候, 外表奇形がみられ呼吸不全を呈したため当院に搬入された. CT上, 全例trigonocephalyを示す船首状前頭骨 (keel shaped forehead) とmetopic suture (前頭縫合) 部の骨肥厚が認められた. 尚, CT上はmicroencephaly (小脳症) の他明らかな中枢神経系奇形を指摘し得なかったが心不全で死亡した3例中の1例には剖検が施行され, 嗅球および嗅索の欠損 (狭義の無嗅脳症) と脳梁欠損が指摘された.
  • 市橋 光, 谷野 定之, 倉松 俊弘, 宮尾 益知, 柳沢 正義, 鴨下 重彦
    1987 年 19 巻 5 号 p. 379-386
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    細菌性髄膜炎の経過中に起こるさまざまな合併症の診断は, 画像診断による評価が不可欠である. 我々は脳エコー法を用いて, その臨床的有用性と問題点について検討した. 症例1 (1歳4カ月男児, インフルエンザ桿菌性髄膜炎) では脳萎縮像, 症例2 (7カ月男児, 肺炎双球菌性髄膜炎) では脳梗塞, 脳膿瘍, 孔脳症, 脳室炎や水頭症, 症例3 (6カ月男児, インフルエンザ桿菌性髄膜炎) では硬膜下水腫を認めた. 脳表層に死角となる部分があるという問題はあるが, 脳エコー法は大泉門が開存している児であれば非侵襲的にくり返し観察でき, 合併症への対応に遅滞をきたすことなく, 治療効果の判定にも有用である.
  • 小西 行郎, 栗山 政憲, 須藤 正克, 早川 克己, 石井 靖, 小西 薫
    1987 年 19 巻 5 号 p. 387-391
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児3名を含む小児25名に頭部digital subtraction angiographyを行った. その結果, 上矢状静脈洞血栓症2例, モヤモヤ病2名, 動脈閉塞2名, ガレン大静脈瘤1名の計7名の脳血管障害を証明し得た. digital subtraction angiographyは肘静脈, 上大静脈, および経動脈注入で十分に診断可能な画像を得られることが判明した. また, 同時に内頸動脈サイフォン部, 静脈洞交会の2点での造影剤濃度のTime-Density曲線を作成し, 脳循環時間を測定した. 血管障害のない症例では3~5秒以内であったが, 上矢静脈洞血栓症, モヤモヤ病で有意に延長していた. 以上より, 脳循環時間測定と合わせて行えば, digital subtraction angiographyは小児の脳血管障害の診断に有用であると考えられた.
  • 二木 康之, 安部 治郎, 田中 順子, 岡本 伸彦
    1987 年 19 巻 5 号 p. 392-396
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    追跡調査にて予後の明らかな正常小児258名, 脳性麻痺児22名, 精神発達遅滞児29名を対象として, 乳児期に施行したBabkin反射の反応性を比較し, この反射のもつ診断的意義について検討した.
    正常児においては, 本反射は生後4カ月まで反応が認められた. 成熟児と未熟児の比較では, 予定日からの修正月齢であらわした場合, 反応の強さ, 月齢による反応性の推移には両者に差は認めなかった. 哺乳後時間との関係では生後2カ月までは哺乳後, 検査までの時間が1時間以上たっている群の反応は1時間未満のそれより強い傾向がみられた. 脳性麻痺群および精神発達遅滞群では正常児群に比較し, 反応が長期残存する症例が認められた. 本反射はその診断的意義に一定の限界を持っているが, この点を考慮するならば, 中枢神経障害の早期診断に有用であると思われた.
  • 長谷川 廉, 秦 順一, 中村 敬, 長谷川 典子, 松田 博雄
    1987 年 19 巻 5 号 p. 397-401
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は在胎38週1日, 出生体重2,808gの女児で, 妊娠分娩歴に問題はなく合併奇形も認められなかったが, 出生時より四肢の筋強剛, モロー反射や吸啜反射等の原始反射の欠如などの神経症状を呈し, 症状の改善のないまま無呼吸, 無気肺の合併により日齢165日に死亡し, 剖検により小脳低形成 (顆粒細胞型) と診断した. 放射線被爆, 化学薬品の使用により実験動物に小脳低形成を発生させることができるが, 本例に関しては発生原因は不明であった. しかし顆粒細胞層を欠くことより妊娠初期に胎内にて発生したと推定された.
  • 東條 恵, 桜川 宣男, 埜中 征哉, 佐藤 雅久
    1987 年 19 巻 5 号 p. 402-407
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児にはまれな筋萎縮, 球症状を主要症状とし, 眼瞼下垂, 四肢の筋無力症状はほぼ呈さない, 全身型の非典型的, 特異な若年型重症筋無力症の女児を報告する. 13歳現在の臨床像の特徴は,(1) 著明なるいそう (28kg) で, 全身の筋萎縮がありつつも筋力は保たれている (ただし頸部屈筋は3-と低下) こと,(2) 反復運動時の筋の易疲労性がみられないこと (電気生理学的にはwaningが証明された),(3) 球症状の存在,(4) 頸椎上部で前屈制限の存在, 胸椎で側彎の存在,(5) 眼瞼下垂はほぼないが, 左右上方への眼球運動制限がある,(6) テンシロン試験は眼球運動制限の解除がみられ陽性だが, 陰性のこともあり不定,(7) 抗アセチルコリン受容体抗体価の治療前高値と, プレドニソロン大量療法直後よりの正常化であった.
  • 横山 孝雄, 石川 達也, 坂 京子, 斉藤 久子
    1987 年 19 巻 5 号 p. 408-414
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能亢進症の治療によりeuthyroidとなった後にchoreaを発症した13歳女児例を報告した.
    患児は入院約8カ月前, 甲状腺機能亢進症と診断され, propylthiouracil (PTU) にて治療を受け2カ月後に甲状腺機能は正常となり以後PTUの副作用も見られず良好なコントロールと思われた. しかし入院約3週間前より精神的落ち着きのなさが目立ち, 頸部と左半身を中心とした不随意運動が出現し甲状腺機能と関連したchoreaと考えられた. choreaは約2カ月の経過にて消失した.
    甲状腺機能亢進症の初発症状としてchoreaが見られることが知られているが, 本患児の如くeuthyroidにて出現した報告はなく文献的考察を加えて報告した.
  • 田中 順子, 安部 治郎, 二木 康之
    1987 年 19 巻 5 号 p. 415-419
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    幼児型ceroid lipofuscinosis 1症例の電気生理学的変化を検討した. 3歳時の脳波では棘波・高振幅徐波は後頭部優位で, その後高振幅徐波は次第に全汎化し, 棘波は多焦点性に出現した. 5歳時にmulti-modality evoked potentialsを施行した. 巨大視覚および体性感覚誘発電位・C-responseが導出され, 大脳皮質の易刺激性およびcortical reflex myoclonusが存在すると考えられた. 病気の進行とともに眼輪筋反射の潜時は延長し脳幹部三叉神経-顔面神経路障害を認めたが, 聴性脳幹反応は正常で脳幹部聴覚路機能は保たれていた. 種々の電気生理学的検査を併用することは病気の進行をみるうえで有用と考える.
  • 宝道 定孝, 安藤 幸典, 高嶋 幸男, 竹下 研三
    1987 年 19 巻 5 号 p. 420-422
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    経頭蓋骨的超音波ドプラ法により未熟児・新生児において中大脳動脈血流速度の観察, 測定が可能であった. 正常児では, 頭蓋骨横径の約40%の深さで最大および平均血流速度が最高値を示し, 生後24時間までは有意の変化はなかったが, その後徐々に増大した. また, 生後早期には時間経過に伴って血流速度波形の変化がみられ, さらに, 過粘度症候群の例では, ヘマトクリット値の低下とともに血流速度の増加がみられた. このように中大脳動脈の血流速度は, 生後発達的変化を示し, これと比較することにより脳循環障害の診断に有用である.
  • 永岡 正人, 南 良二, 若井 周治, 岡部 稔, 亀田 桂司, 安中 俊平, 舘 延忠, 篠田 実
    1987 年 19 巻 5 号 p. 422-424
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Duchenne型筋ジストロフィー症11例の剖検例より, 舌の大きさを計測し, 正常の舌と比較すると, 平均値において有意に大きいことが判った. その11名の生前の石膏顎模型, および頭部X線写真より, 口腔の変形を見ると, 正常平均値に比べて歯列弓の拡大, 上下顎前歯の前方突出, 下顎角の拡大が見られたが, 舌肥大との直接的な相関は, 一部にしか見られなかった. 一方, 舌の大きさは年齢とともに縮小する傾向があり, 舌はいったんは肥大するものの, 末期においてはわずかながら縮小するものと思われた.
  • 李 成守, 中嶋 靖潤, 川脇 寿, 松岡 収, 村田 良輔
    1987 年 19 巻 5 号 p. 425-426
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    幼若ラットと成熟ラットの海馬キンドリングモデルを作成し, 15分間隔で電気刺激を加えたところ, 幼若ラットだけに臨床発作および後発射の著明な進展が認められた. このことは, 幼若脳では短期間に部分けいれんから全身けいれんに発展することを意味し, 幼若脳のてんかんに対する感受性の高さを示唆するものと思われた.
  • 西村 悟子, 長澤 宏幸, 西田 隆, 山崎 嘉久, 近藤 富雄, 松尾 敏和
    1987 年 19 巻 5 号 p. 427-428
    発行日: 1987/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    眼瞼下垂を主訴とし, 入院経過中, 全外眼筋麻痺, 体幹失調, 腱反射消失および髄液の細胞蛋白解離を認めFisher症候群と診断した3歳男児例にMRIによる画像診断を行った. 第38病日に施行したMRIのスピンエコー法にて, 中脳被蓋を中心として, 大脳脚~橋腹側にかけて低信号域が認められ, 一部高信号域も存在した. 特に中脳水道の腹側に強い低信号域を認め患児の眼球運動障害との関連よりFisher症候群の中枢病変が疑われた.
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