1987 年 19 巻 5 号 p. 422-424
Duchenne型筋ジストロフィー症11例の剖検例より, 舌の大きさを計測し, 正常の舌と比較すると, 平均値において有意に大きいことが判った. その11名の生前の石膏顎模型, および頭部X線写真より, 口腔の変形を見ると, 正常平均値に比べて歯列弓の拡大, 上下顎前歯の前方突出, 下顎角の拡大が見られたが, 舌肥大との直接的な相関は, 一部にしか見られなかった. 一方, 舌の大きさは年齢とともに縮小する傾向があり, 舌はいったんは肥大するものの, 末期においてはわずかながら縮小するものと思われた.