脳と発達
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脳性麻痺および重症心身障害児の眼輪筋反射
田中 順子安部 治郎二木 康之三牧 孝至藪内 百治
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1987 年 19 巻 6 号 p. 475-479

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抄録

重症心身障害 (重心) 児および脳性麻痺 (CP) 児30例に電気刺激による眼輪筋反射 (BR) を施行した. BR異常を示した例は30例中20例 (66%) と高率であった. BR高度障害例 (R1and/or R2消失または出現不良例) は咀嚼・嚥下・喘鳴・呼吸障害を有しており, これらの症状は脳幹障害と関連があると思われた. しかし, 知能・運動障害が高度でも嚥下・呼吸障害のない重心児ではBRは正常を示すことがあり, これらの症例の脳幹障害は比較的少なく大脳等の上位中枢の障害が主要病変と考えられた. また, 仮死等による周産期障害児ではBR異常例が多く, 大脳皮質等だけでなく脳幹にも障害を有している例が多いと思われた. 重心・CP児における非侵襲的脳幹機能評価法としてBRは有用と考える.

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© 日本小児小児神経学会
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