脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
前頭葉症状で初発し, 緩徐な経過をとるadrenoleukodystrophyの1例
新井 幸男松坂 哲鷹豊田 桃三桜川 宣男有馬 正高
著者情報
キーワード: CT, 前頭葉症状
ジャーナル フリー

1988 年 20 巻 1 号 p. 33-37

詳細
抄録
9歳頃より性格変化・行動異常にて発症し, 知的退行・運動退行・錐体路徴候・痙攣・前頭葉症状を呈した20歳男子例を報告した. 本症例ば血漿極長鎖脂肪酸が著明に上昇していたことよりadrenoleukodystrophy (以下ALDと略) と診断した. 従来の小児期発症ALDと比較して本症例の際だった特徴は, 1) 精神症状で発症, 2) 病初期のX線CTでの前頭葉優位の病変, 3) 原始反射などの前頭葉症状の存在, 4) 発症より11年経過し, なおかつ緩徐な経過をとっていることなどである. 前頭葉優位の所見を呈したALDはまれであり, 文献的に考察した.
著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top