脳と発達
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X染色体-常染色体の転座を伴うDuchenne型筋ジストロフィー症の女児例
内田 智子緒方 博子白井 善太郎満留 昭久
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1988 年 20 巻 1 号 p. 28-32

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抄録
X染色体-常染色体均衡転座を伴ったDuchenne型筋ジストロフィー症 (DMD) の3歳女児例を報告した. 臨床症状は腓腹筋肥大を認め, 軽度の筋力低下を示した. 筋萎縮は認めなかった. 染色体は46, X, t (X; 19) (p21.1; q 12 or 13.1) であった. 1977年GreensteinがX染色体-常染色体均衡転座を伴ったDMDの女児例を報告して以来, 欧米では約10例, 日本でも本症例を入れ6例の報告がみられる. 本例は他の例と同様に転座に関与するX染色体の切断点はXp21であるが, 転座に関与する常染色体は19番で他の報告例も様々であった. X染色体-常染色体均衡転座を伴った女性型DMDはDMD遺伝子の座位決定に有力であると考えらる.
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© 日本小児小児神経学会
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