抄録
利き手の矯正と仮名の誤りとの関係について, 普通小学生417名にアンケート調査と作文の詳細な検討を行った. 幼児期に左手利きから右手利きに変わった児では, 仮名の誤りは少なく, 左手利きのままの児と右手利きから左手利きに変わった児のグループに, 学習能力障害などの発達障害児によく認められる仮名の誤りが多かった (P<0.01). このことより, 左手利きの幼児に対し利き手の矯正は試みても良いと思われた. また, 仮名の誤りが多い学童では, 発達障害を疑い過去の利き手とその矯正の有無についても知る必要があると考えられた.