脳と発達
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20 巻 , 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 三牧 孝至
    1988 年 20 巻 3 号 p. 183
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 田中 順一, 高嶋 幸男, 竹下 研三
    1988 年 20 巻 3 号 p. 184-190
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Aicardi症候群は臨床的に点頭てんかん, 脳梁欠損および網脈絡膜異常3主徴とする原因不明の疾患であるが, 剖検例が極めて少ないので, その病理学的な位置づけは未確定である. 本症候群の徴候の一つである脳梁欠損を中心に, 今口までに報告された剖検例の合併脳奇形を整理し, その病理学的背景について考察した. 脳梁欠損症のほかには多小脳回, 灰白質異所形成, 大脳半球の低形成などの奇形的発育と, グリア・上衣嚢胞, 脈絡叢乳頭腫のような過誤腫性増殖を合併し, 胎生初期における脳の発育'障害が示唆された.
  • 小枝 達也, 竹下 研三
    1988 年 20 巻 3 号 p. 191-194
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    利き手の矯正と仮名の誤りとの関係について, 普通小学生417名にアンケート調査と作文の詳細な検討を行った. 幼児期に左手利きから右手利きに変わった児では, 仮名の誤りは少なく, 左手利きのままの児と右手利きから左手利きに変わった児のグループに, 学習能力障害などの発達障害児によく認められる仮名の誤りが多かった (P<0.01). このことより, 左手利きの幼児に対し利き手の矯正は試みても良いと思われた. また, 仮名の誤りが多い学童では, 発達障害を疑い過去の利き手とその矯正の有無についても知る必要があると考えられた.
  • 石田 明, 高田 五郎, 小林 康子, 東 音高, 豊島 至, 高井 克治
    1988 年 20 巻 3 号 p. 195-199
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    遺伝性進行性ジストニア (HPD) の母子例に対して, L-dopa, tetrahydrobiopterin (BH4), 5-hydroxytryptophan (5-HTP), を投与し, それらの臨床効果を比較検討した. L-dopaでは母子ともにほぼ完全な症状の消失をみた. BH4の3日間の大量投与では約2週間に亙って症状の改善がみられた. 不充分量のL-dopaを投与し症状がまだ残っている状態で, 少量の5-HTPを併用したところ, ジストニアなどの残っていた症状の改善がみられた. BH4, 5-HTPともに効果は子より母においてより顕著であった. これらの事実は, HPDの病態にセロトニン系ニューロンも何らかの形で関与していることを示唆するものと考えられた.
  • 口分田 政夫, 奥村 啓子, 翁長 晃, 山野 恒一, 島田 司巳
    1988 年 20 巻 3 号 p. 200-204
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児の発作性疾患30例に, 日常生活下で24時間の脳波記録ができるA/EEG (ambulatory EEG monitoring system) を使用した. R/EEG (通常脳波記録) と比較すると, 発作時脳波記録率で4.4倍, 発作間敏時での, てんかん性異常波の検出率で1.43倍の診断率を示した.
    A/EEGは, てんかんと非てんかん性発作の鑑別, pseudoseizureの診断, 家族の発作認識度の評価, 治療効果の指標, 発作波の日内リズムの検討などに有効であり, また小児の発作性疾患の病態を把握する上でも, 有用な検査法と思われた.
  • 小西 徹, 長沼 賢寛, 本郷 和久, 村上 美也子, 山谷 美和, 岡田 敏夫
    1988 年 20 巻 3 号 p. 205-210
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児期発症の各種神経疾患18例において123I-IMP SPECT法による局所脳血流の測定を行った. 脳血管性疾患においては, X線CTに比して高率に, かつ広範で著明な所見を認めた. また, 経時的SPECT検査は変動する病態の把握・治療効果の判定・予後の推測に有用であった. 中枢神経感染症では, び漫性の血流低下を示すことが多かった. また, 脳波の徐波化部位とSPECTでの低血流領域は部位・広がりに関して一致する例が多かった. 123I-IMP SPECT法は器質性病変のみならず, 機能性病変の把握にも優れており, 脳血管病変に限らず小児神経疾患に広く応用可能と考えられ, また, 脳内のremote effect等の新しい知見も与えてくれるものと思われる.
  • 舘 延忠, 細谷 静恵, 渡辺 睦子, 佐々木 公男, 永岡 正人, 若井 周治, 亀田 桂司, 南 良二
    1988 年 20 巻 3 号 p. 211-216
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Dejerine-Sottas病 (hereditary motor & sensory neuropathy) 3症例の臨床所見と腓腹神経所見に関して報告した. 全例, 運動発達遅延を認め, 歩行は失調性で年齢が進むにつれて失調性歩行は改善された. Gowersの徴候陽性, Romberg徴候陽性, 深部知覚障害, 髄液蛋白の著明な増加, MCVの著明な遅延を示した. 両親は, 神経学的には異常を認めず, MCVも正常であった. 腓腹神経所見は, 脱髄および再生の所見はなく, hypomyelinationが特徴であった. onionbulb形成は, 症例により異なっていた. 全例において無髄線維密度は低下し, 特に年長児においては, 著明に低下していた. 1例のみ症状は進行していたが, 他の2例は, 進行はなく歩行はむしろ安定してきた.
  • 河野 親彦
    1988 年 20 巻 3 号 p. 217-225
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児における睡眠時無呼吸および突然死の病態生理の解明に資する目的で, 重症心身障害児22例につき, 臨床的および終夜睡眠ポリグラフを含む詳細な脳波学的検討のほか, ABR, MV, SSEP, 瞬目反射, CT等につき検討し, 以下の結果をえた.
    1) 2例に睡眠時無呼吸の頻発が認められ, これらは中枢性無呼吸が主体であった.
    2) 睡眠時無呼吸の頻発した症例では, 脳幹機能障害を示唆する所見が多く認められ, なかでもREM期における呼吸数および脈拍数減少, REM密度の著明な低下, ABR異常, 瞬目反射異常が注目された.
    以上から, 重症心身障害児のうち無呼吸を頻発する症例は, 脳幹の特定な部位の障害を有することが推測された.
  • 木村 清次
    1988 年 20 巻 3 号 p. 226-231
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Neuronal ceroid-lipofuscinosis (NCL) 29例の皮膚, リンパ球を電子顕微鏡学的に観察し次の結果を得た. (1) 幼児型と同様な症状を示す症例中に, 発病年齢が遅く, リンパ球に特徴的な封入体を持ち, 幼児型と若年型の間に位置する-亜型 (early juvenile type) の存在が確認された. (2) リンパ球の微細形態は, NCLの診断や亜型の鑑別に有用であり, curvilinear profiles (CLP) は幼児型, fingerpnint profiles (FPP) はearly juvenne型, 空胞内のFPPは若年型を示唆した. (3) リンパ球に見られる封入体の頻度, 形態は経過観察中に変化を示さなかつた. (4) 皮膚生検はNCLの診断には有用であるが, 封入体の形態は乳児型を除く他の亜型と相関しなかった.
  • 長谷川 潔, 嘉山 益子, 菊地 正宏, 石沢 志信, 成沢 邦明, 多田 啓也, 阿部 淳一郎, 渡辺 修一
    1988 年 20 巻 3 号 p. 232-236
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    15カ月の女児が, 嘔吐, 不機嫌, 左片麻痺を主訴に入院した. 入院後意識障害, 高アンモニア血症, 肝機能障害が加わり, CTで右大脳半球に広範な低吸収域を認めた. 脳血管造影では異常を認めなかった. 生検肝の微細脂肪浸潤よりReye症候群を疑ったが, 血清アミノ酸分析, 蛋白負荷試験よりomnithine transcarbamylase (OTC) 欠損症と診断した. OTC欠損症においては, CTを含めた神経学的所見は左右差を示さないのが一般的で, 本症例のように片側性の広範な脳梗塞様変化を起こした症例は調べ得た限りでは見当たらなかった. OTC欠損症の診断においては, その症状の多様性について一層の注意が必要と思われた.
  • 高木 卓爾, 橋本 信和, 戸苅 創, 鈴森 薫
    1988 年 20 巻 3 号 p. 237-241
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    著者らは既に報告しているごとく, 胎児水頭症の取扱いについては出生後に短絡術を考慮するCochraneとMylesのプロトコールを参考にして決定している. 最近, 著者らは在胎29週目に超音波検査により胎児水頭症と診断され30週目にMRI検査によってDandy-Walker cystを伴うholoprosencephalyと正確に診断できた1症例を経験した. 今回, 著者らが経験した症例の如くMRIによって子宮内で水頭症の病態が正確にわかるようになれば, 知能予後の良さそうな水頭症に対して本邦でも将来, 胎児手術が行われるようになると考えられる. MRI検査は胎児中枢神経系奇形の病態把握に極めて有益であることが判明したので, 今後さらに症例を重ねて胎児手術の問題を前向きに考えてゆきたいと思っている.
  • 相原 正男, 宇田川 淳子, 宮本 茂樹, 倉山 英昭
    1988 年 20 巻 3 号 p. 242-246
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    脳血管障害後, 複雑部分発作・高次脳機能障害を呈した12歳女児例を報告した.9歳で膜性増殖性腎炎に罹患し, ステロイド剤のパルス療法中高血圧に伴って全身けいれんが出現, 3カ月後右半身けいれんを認め, X線CT上左半卵円中心後部に低吸収域を, 脳波上も同部に棘波を認めた.以後, 幻視・幻聴・自動症などの複雑部分発作が出現し, 神経心理学的検査では, 左側優位半球病変が考えられた. 電気生理学的検査では, 単発閃光刺激にて左側の側頭・頭頂・後頭部に脳波上photic drivingが出現し, somatosensory evoked potential (SEP) で左側後期成分 (N 32) の消失を認めた. 放射線学的検査では, X線CTで確認されない皮質下梗塞を, magnetic resonance imaging (MRI) で認めた. さらにN-isopropyl-P-[123I] iodoamphetamine静脈内投与によるsingle photon emission computed tomography (IMP-SPECT) で, 左側の側頭・頭頂・後頭部の血流低下が認められ, X線CT・MRIでは予想できない広がりを持っていることが示された. これらの検査は, 臨床症状ともよく対応し, 大脳機能障害を明らかにする有用な方法と思われた.
  • 志倉 圭子, 外園 芳美, 吉沢 邦重
    1988 年 20 巻 3 号 p. 247-248
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    現在3歳2ヵ月の男児に出生時より筋力・筋緊張低下, 眼瞼下垂・両眼の外転制限を伴う顔面筋罹患を認めた. 筋生検では筋線維の中心部の異常・筋線維タイプ分布異常の所見を得, ミオチュブラーミオパチーと診断した. 本児に精神遅滞を認めた. これが本症に偶然に合併したものかどうか不明であったが, 痒例の積み重ねが必要であると考え報告した.
  • 那須 史男, 猪俣 賢一郎, 田中 晴美
    1988 年 20 巻 3 号 p. 249-251
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Synaptic junction の選択的染色法であるE-PTA染色法により, 各種固定液による中枢神経系標本での定性的検索を実施した. 固定液は, 10%ホルマリン水溶液とBouin液を用い, 対照として電子顕微鏡的な固定液であるグルタールアルデヒドとパラホルムアルデヒドの混液を用いた. 実験の結果, 検索したすべての標本でsynaptic junction の形態保存は若干の差異は有るものの基本的構造は継持されていた. このことは, 人体標本からシナプス発達の情報を得られる可能性を示唆しており, 今後人体標本解析に当たりE-PTA染色法を用いる価値が有るものと思われる.
  • 鈴木 文晴, 平山 義人, 有馬 正高
    1988 年 20 巻 3 号 p. 251-252
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 中野 正大, 鈴木 達雄, 島田 治子, 上村 治, 水口 宏平, 横地 健治
    1988 年 20 巻 3 号 p. 252-254
    発行日: 1988/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々は,発病後4年10ヵ月, 3年を経過したモヤモヤ病の2症例にflunarizineを経口投与し, それまで頻発していた左半身麻痺, 頭痛, 意識喪失, 右半身けいれんなどの脳虚血発作やけいれん発作の著明な改善を認めた. flunarizineには, 強力な抗脳血管収縮作用, 脳の低酸素障害から回復を促す作用, 血管内皮細胞保護作用や赤血球変形能の減弱防止作用などがあることが知られており, モヤモヤ病の脳虚血発作, けいれん発作の予防に有用と考えられた.
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