重症心身障害児における睡眠時無呼吸および突然死の病態生理の解明に資する目的で, 重症心身障害児22例につき, 臨床的および終夜睡眠ポリグラフを含む詳細な脳波学的検討のほか, ABR, MV, SSEP, 瞬目反射, CT等につき検討し, 以下の結果をえた.
1) 2例に睡眠時無呼吸の頻発が認められ, これらは中枢性無呼吸が主体であった.
2) 睡眠時無呼吸の頻発した症例では, 脳幹機能障害を示唆する所見が多く認められ, なかでもREM期における呼吸数および脈拍数減少, REM密度の著明な低下, ABR異常, 瞬目反射異常が注目された.
以上から, 重症心身障害児のうち無呼吸を頻発する症例は, 脳幹の特定な部位の障害を有することが推測された.
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