脳と発達
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欠神発作の長期予後
発症様式による検討
高江洲 悦子山本 直樹高橋 泉古根 淳麻生 幸三郎根来 民子渡辺 一功
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1989 年 21 巻 1 号 p. 3-8

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抄録

年以上追跡し得た58例 (18歳以上30例) を対象として欠神発作の発作予後を検討した. 発作消失例は58例中46例 (79.3%) (18歳以上では30例中23例 (76.7%)) ので, 欠神発作のみの持続例5例 (18歳以上3例), 全般性強直間代発作 (GTC発作) のみの持続例7例 (18歳以上4例) で両者の合併や他の発作型は認められなかった. 発症様式の差によりA群: 欠神発作で発症, B群: GTCで発症, B-1群一幼少時のGTC発作消失後に欠神発作出現, B-2群-両発作がほぼ同時期に出現の3群に分けると, A群の発作消失例は43例中38例 (88.4%), B群では15例中8例 (53.3%) であり, B-1群では10例中8例 (80.0%) であるのに対し, B-2群では5例中発作消失例は認められず, A群, B-1群の発作予後はともに良好である.

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© 日本小児小児神経学会
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