脳と発達
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小児における抗てんかん薬物療法の特異性
三浦 寿男
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1990 年 22 巻 2 号 p. 154-159

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抄録

てんかんの薬物療法は, 発作型に適した, しかも副作用の少ない薬剤を選択して, まず単剤治療 (monotherapy) を行うのが原則であり, 血中濃度をモニターし, これで発作が抑制されない場合にも, 併用薬剤は最少限に留めるべきである. 多剤治療 (polytherapy) が発作の抑制にとくに有効であるとの確証はなく, 多剤治療時にはむしろ併用薬物間の相互作用 (interaction) や副作用の増強などの問題点が多い. 小児では各年齢によって薬物の代謝速度が異なり, 年少な者ほど単位体重当たりの投与量に対する各薬物の血中濃度が低値であり, 抗てんかん薬物療法を行う上で, 血中濃度モニタリングの意義はとくに高いと思われる.

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© 日本小児小児神経学会
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