抄録
前報で作成した発語前言語発達テストを健常乳児281名に実施した結果を報じた.
1. 47項目の日齢別項目通過率では, 項目は日齢に依存して達成された.
2. 日齢群別平均得点と標準偏差を示した.平均得点は, 日齢と共に上昇する.
3. 潜在構造を調べるため因子分析を行った結果, 次の5因子すなわち5段階から構成されていることがわかった.
(1) 初期の呼びかけ・コミュニケーション
(2) 周囲への積極的な働きかけ
(3) 発語直前期
(4) 初語の出現と言語機能の分化
(5) 発語増加期
4. テストの信頼性と予測妥当性を求め, 早期発見テストとしての有用性を示した.本テストの特徴を, 従来使用されている発達検査との比較を通して考察した.