脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
代謝異常 (先天性を含む) による中枢神経障害
大矢 紀昭
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 23 巻 2 号 p. 171-176

詳細
抄録

新生児期に中枢神経障害を呈する代謝異常症の早期診断について論じた. 新生児期に代謝異常症が示す症状は, 哺乳障害, 嘔吐, 下痢, 筋トーヌスの異常, 呼吸障害, 痙攣, 昏睡といった一般的なものである. しかし,(1) 前の子供が乳児期早期に不明の原因で死亡,(2) 敗血症の合併,(3) 新生児期に発症,(4) 発育・発達の遅れ, がある時には特に代謝異常症を考えて詳細な家族歴をとる. 一般検査や診察所見に何か異常があれば, その鑑別診断に入る. この時は治療と平行してアミノ酸や有機酸の分析をする. 今回は代謝性アシドーシスと高アンモニア血症の鑑別診断について述べたが, 他に低血糖, 毛髪の異常, 眼科的異常, 顔つき, 尿の異常な臭いも重要である.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top