抄録
修正4~7カ月に達した極小未熟児30例に対して, MRIによる髄鞘評価を行い, 神経学的予後との関連を検討した. 髄鞘展開は, 特に視放射と脳梁に着目し各々4段階に分類し, 成熟児対照と同等の段階に達したものを髄鞘化正常群, 達しないものを遅延群とした.
対象のうち修正月齢における髄鞘化正常群は18例, 遅延群は12例であった. 神経学的後遺症の発生は髄鞘化正常群はわずか1例 (約6%) であるのに対し, 遅延群では8例 (約67%) と有意に高かった.
極小未熟児において, MRIによるこの時期の髄鞘化評価は, 児の予後予測に非常に有用であると考えられた.