脳と発達
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頭部MRIのT2強調画像でみられた後頭葉深部白質の高信号域に関する検討
I. 臨床的特徴について
宮崎 雅仁橋本 俊顕
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1991 年 23 巻 5 号 p. 469-474

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抄録

神経学的主訴をもつ小児270例の頭部MRI検査を行った.270例中27例のT2強調画像で後頭葉深部白質に限局する高信号域を認めた.27例の疾患別内訳は, 髄芽細胞腫1例, 先天性心奇形 (心房中隔欠損, 心室中隔欠損および動脈管開存症) 1例, 神経線維腫症1例, 結節性硬化症1例, 先天性筋ジストロフィー症1例, 先天性筋強直性ジストロフィー症2例, 熱性痙攣2例, 自閉症3例, てんかん9例および原因不明の精神あるいは運動発達遅延6例であった.
自験例で認められた後頭葉深部白質の高信号域は, 3歳までの小児に高頻度にみられ, 中枢神経系での髄鞘化の遅延に基づくことが示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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