脳と発達
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筋緊張性ジストロフィーの瞬目反射所見
Duchenne型筋ジストロフィーとの対比検討
野呂 浩史石川 幸辰岡部 稔永岡 正人南 良二
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1991 年 23 巻 5 号 p. 514-516

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抄録

筋緊張性ジストロフィー (MyD) 患者23例とDuchenne型筋ジストロフィー (DMD) 症患者18例において瞬目反射 (blinkreflex;BR) を導出した.得られたBRの各パラメータについて両疾患群および正常対照群間において対比検討を行った.MyD群におけるR1絶対潜時, R1潜時左右差, IR2潜時左右差, 右側IR2-CR2潜時差は, 正常対照群やDMD群のそれに比べ有意に延長および増大していた.また, R1およびR2反応における各異常パターンもMyD群において高率に認められた.反対に, DMD群において異常を呈した症例は極わずかであった.以上の結果より, MyD群ではBR反射経路において脳幹を含む広範囲の伝導路障害の存在が示唆された.一方, DMD群ではBR上脳幹機能は正常であった.

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© 日本小児小児神経学会
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