脳と発達
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突発性発疹症罹患時に初発した熱性けいれんの長期予後に関する検討
林 雅晴長谷川 毅早川 恵子岩川 善英
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1993 年 25 巻 1 号 p. 53-58

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抄録

突発性発疹症で熱性けいれんが初発し抗けいれん剤の持続投与を受けた12例の長期的予後を検討した.熱性けいれんまたは無熱性けいれんの家族歴は半数が陽性で, 1例では同胞も突発性発疹症罹患時に無熱性けいれんが重積し麻痺を残していた.12例は臨床経過より・解熱後無熱性けいれんが頻発した2例, 突発性発疹症後熱性けいれんが頻発し脳波異常を高率に示した6例, 突発性発疹症後数年してからてんかんに移行した1例, 突発性発疹症時のみてんかん移行の危険因子を3つ以上有する熱性けいれんがみられ脳波異常を示さなかった3例の4群に分けられた.1例で後遺症として片麻痺がみられたが他の11例は突発性発疹症後の発達は正常であり, また12例中5例で休薬が可能であったことより, 重篤な合併症が生じない限り突発性発疹症時に発症する熱性けいれんの長期の神経学的予後は悪くないものと考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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