脳と発達
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West症候群のACTH療法
投与量の検討
羽賀 淑子渡辺 一功根来 民子麻生 幸三郎鬼頭 正夫前田 規秀大木 隆史
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1993 年 25 巻 3 号 p. 215-220

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抄録

ACTH療法を施行したWest症候群50例において, ACTHの短期効果を, 通常投与量群 (0.025mg/kg/day) と少量投与群 (0.015mg/kg/day) に分類し, さらに投与量と推定成因から通常量投与潜因性群, 通常量投与症候性群, 少量投与潜因性群, 少量投与症候性群の4群に分類して検討した.臨床発作に対する効果は, 潜因性群では差を認めなかったが, 症候性群では少量投与群の方が有効率が高かった.また潜因性群では, 全例において発作の再発は認めなかったが, 症候性群では通常量投与群の方が再発率が高く, 副作用も多く認められた.通常量投与症候群で短期効果が悪い傾向が見られたのは, 出生前要因が基礎疾患となっている症例が多かったためと推測される.

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© 日本小児小児神経学会
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