脳と発達
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Pelizaeus-Merzbacher病に一致する臨床像・磁気共鳴画像を示した1女児例
小野 次朗田中 順子小高 隆平永井 利三郎原田 貢士牧 一郎岡田 伸太郎
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1993 年 25 巻 4 号 p. 347-351

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抄録

先天性眼振・精神運動発達遅滞を主訴とし, 先天性中枢神経系髄鞘形成不全症が疑われた女児例を報告した.検査結果では, 聴性脳幹反応でH波以降の出現不良, 磁気共鳴画像ではT2強調画像における大脳白質の禰漫性高信号を示した.先天性の中枢神経系髄鞘形成不全を示す疾患としては, 伴性劣性遺伝を呈する古典型Pelizaeus-Merzbacher病が知られているが, 患児は女児であり, 家族歴にも遺伝素因を認めないことから, 古典型Pelizaeus-Merzbacher病とは考えにくい.本例とPelizaeus-Merzbacher病との関連性について検討した.

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© 日本小児小児神経学会
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