脳と発達
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Metatropic dysplasiaに合併したmotor and sensory neuropathy
山下 純正井沢 淑郎三杉 信子佐々木 佳郎
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1994 年 26 巻 3 号 p. 258-262

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抄録

Metatoropic dysplasiaの15歳の男子の症例を報告した.生後1歳2カ月に四肢短縮型の小人症を認め, X線像で高度の汎発性扁平椎, 大腿骨近位端は腫大し, 骨幹端がトランペット様に拡大し, 腸骨はほこやり状を呈していた.側弯症は徐々に進行し体幹短縮型の小人症に変容していった.10歳頃よりしだいに歩行困難になり, 12歳頃より下肢筋力低下が見られるようになったため15歳時精査した.運動神経伝導速度は, 左正中神経が21m/sec, 左腓骨神経が18.5m/secと遅延し, 針筋電図にて上肢下肢筋に神経原性変化をみた.腓腹神経生検を行ったところ有髄線維密度が減少し, 電顕所見では有髄線維周囲にonion bulbの形成と, Schwann cell粗面小胞体の拡張と異常物質の蓄積をみた.軟骨細胞の微細構造所見との類似からneuropathyの成因として原病との関連を推測した.

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© 日本小児小児神経学会
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