脳と発達
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急性期MRIにて灰白質病変をみとめた急性散在性脳脊髄炎 (ADEM) の1例
窪田 和興小林 正明仲本 なつ恵田島 剛服部 拓哉児玉 浩子阿部 敏明
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1995 年 27 巻 3 号 p. 226-230

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抄録

先行感染として溶連菌感染を認め急性期の脳MRIのT2強調画像において, これまでの報告とは異なる灰白質を中心とした異常高信号域を認めた急性散在性脳脊髄炎 (ADEM) の14歳男児例を報告した. 症例は, 8月下旬に発熱, 10病日より腰背部痛を認め, 14病日から下肢の脱力感を伴った. 17病日より排尿障害を認め入院. 入院翌日から意識障害も出現した. 髄液MBP高値, 臨床症状などをあわせADEMと考え入院第2日よりステロイド治療開始, 症状の改善をみた. 溶連菌感染に伴うADEMの報告は稀であり, 灰白質を中心とした異常高信号域の報告も少ないと思われる.

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© 日本小児小児神経学会
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