脳と発達
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小児神経疾患における髄液中ネオプテリン測定値に関する検討
中澤 友幸
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1996 年 28 巻 4 号 p. 291-298

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抄録

ネオプテリンは細胞性免疫活性化の指標として主として血液中で測定されている.我々は種々の小児神経疾患について髄液中の値を調べ以下の結果を得た.髄液ネオプテリン値は,(1) 無菌性髄膜炎, 細菌性髄膜炎, 脳炎の急性期に対照とした非神経疾患に比し有意に高値であった. (2) 髄膜炎では経過に伴い低下し, 髄液の細胞数, 2′5′ オリゴアデニル酸合成酵素 (2-5 AS) 活性値よりも速やかに回復した. (3) 非感染性神経疾患では非神経疾患とほぼ同様の値を示した. (4) 髄液中の他の検査所見とはほとんど有意な相関はみられなかった.以上より髄液中ネオプテリン値の測定は中枢神経炎症性疾患の鋭敏なマーカーと考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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