脳と発達
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幼児期発症の視神経炎の2例
有井 潤子杉田 克生高梨 潤一新美 仁男
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キーワード: 視神経炎, 多発性硬化症
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1996 年 28 巻 4 号 p. 336-340

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抄録

急激な視力低下を呈する両側の視神経炎の幼児例を報告した.症例1は3歳3カ月の女児で, 先行感染を認め視力障害を主症状とした.髄液細胞数増加およびMRI検査上脳内白質に広範に散在するT2延長領域を認めた.視神経炎を含む中枢神経病変の再発と寛解を繰り返し, 5歳でclinically probable multiple sclerosis (MS) と診断した.症例2は2歳4カ月の男児で, 視力障害のみを呈し孤発性視神経炎と診断した.急性期のGd-DTPAによる造影MRIにより脳内に微細なsilent lesionsが検出され, 視神経病変は散在する中枢神経病変の一病巣と推測された.幼児の視神経炎に対しても, 成人同様脳内病変の検索を経時的に行い, MSへの移行に注意する必要がある.

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© 日本小児小児神経学会
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