1997 年 29 巻 4 号 p. 278-284
熱性けいれん再発予防としてのジアゼパム坐剤と抱水クロラール坐剤の有効性の比較と再発症例の検討を行った. 対象は, 1993年から1995年までに, 6カ月以上経過が追えた熱性けいれん患児113例で, ジアゼパム群 (D群) 72例, 抱水クロラール群 (C群) 41例である. 坐剤使用開始年齢, 単純型および複合型の比率, 既往けいれん回数などは両群間で有意差はなかった. その結果, 1. 全症例の総発熱回数に対する再発率は, D群3.8%, C群20.4%で, 有意にC群に高かった. 2. 各症例についての有効率は, D群849%, C群52.0%で有意にD群に高かった. 3.副作用はD群に眠気, ふらつきがみられたが, C群では特筆すべき副作用はなかった.