脳と発達
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小児細菌性髄膜炎の予後関連因子に関する検討
高柳 勝山本 克哉中川 洋飯沼 一宇
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1997 年 29 巻 4 号 p. 291-297

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抄録
1985年1月から1994年12月に仙台市立病院小児科に入院した細菌性髄膜炎51例を対象に予後関連因子を中心とした検討を加えた. 死亡率は3.9%と低かったが, 神経学的後遺症を認めたものは31.4%であった. 後遺症を認めない予後良好群と死亡を含む予後不良群の問には入院時髄液細胞数・多核球数・糖値と血清CRPおよび全有熱日数において有意差を認めた. また, 予後不良因子として病初期からの頭部画像異常所見, 10日以上の発熱, 16mg/dl以上の血清CRP値, 12mg/dl未満の髄液糖値, 220IU/l以上の髄液LDH値が統計学的に有意であった. 肺炎球菌が2例の死亡例を含む重症例に多く検出される一方, 従来予後不良とされていたB群溶連菌 (GBS) 例にむしろ予後不良例が少ない傾向が見られた.
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© 日本小児小児神経学会
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