脳と発達
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ジストニアを示し遺伝子診断により確定した若年型Huntington病の1例
小沢 浩武田 麻千子佐々木 征行須貝 研司橋本 俊顕本間 哲夫
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1997 年 29 巻 4 号 p. 303-309

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抄録

ジストニアと精神退行を主症状とし, 尾状核の著明な萎縮を認め遺伝子診断で確定したHuntington病の13歳男児例を報告した. 家族歴で父および父方家系に自殺者が多いがHuntington病と診断されたものはいなかった. 乳幼児期は異常なく, 6歳からジストニアによる構語障害が始まり, 7歳から書字障害, 計算ができなくなるなどの知的退行および歩行障害が出現, 徐々に進行し, 12歳のとき全身性強直間代けいれんをおこした. 神経学的には, 寡動で頸部, 上肢にジストニアが前景に立ち, 下肢の錐体路徴候陽性であった. 頭部MRIでは, 尾状核の高度萎縮と, 被殻外側にT1強調画像で低信号, T2強調画像およびプロトン強調画像で高信号の領域を認め, 大脳萎縮がみられた. 遺伝子解析で4番染色体のCAG (cytosine-adenineguanine) 反復配列の延長 (81回) を認めた. 小児のジストニアの鑑別で'精神退行があり, 尾状核と被殻の萎縮を認める例では若年型Huntington病の可能性も考慮すべきである.

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© 日本小児小児神経学会
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