脳と発達
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遺伝性ジストニアの分子生物学
永津 俊治一瀬 宏
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1998 年 30 巻 2 号 p. 93-100

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抄録

遺伝性ジストニア (HPD, ドーパ反応性ジストニアDRD) の原因遺伝子が1994-95年に発見された. HPD/DRDはドーパミン合成酵素系の遺伝子変異で, 黒質線条体のドーパミンが20%以下に減少すると発症する. 優性遺伝ジストニア (瀬川病) はチロシン水酸化酵素の補酵素テトラヒドロビオプテリンの合成酵素GTPシクロヒドロラーゼの変異によることが日本でIchinoseら (Nature Genetics, 1994) により発見された. 劣性遺伝ジストニアはチロシン水酸化酵素の変異によることがドイツのLudeckeら (Human Genetics, 1995) により発見された. 遺伝性ジストニア, ことに瀬川病は, L-ドーパの投与で症状が治癒する. 血液単核球の酵素活性測定が瀬川病の診断に有用である.

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© 日本小児小児神経学会
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