脳と発達
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沖縄県における亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) の発生状況 (1970-1996)
平安 京美仲田 行克高江洲 悦子神谷 鏡子平山 清武
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1999 年 31 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

沖縄県で, 1970年から1996年の27年間に発生した亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) について調査した.確認されたSSPEは10例 (男児7例, 女児3例) で, 全例麻疹ワクチン接種歴はなく麻疹罹患歴があり, 8例が2歳未満で麻疹に罹患していた.麻疹罹患年に関しては, 1973年が2人, 1990年が3人と集中する傾向にあった.沖縄県のSSPEの発生頻度は, 27年間で人口100万人あたり年平均0.31人と全国調査の結果 (0.13人) に比べ高率であった.1980年から1994年までの本県の予防接種率は平均48.7%と全国平均の69.3%に比し低く, 数年周期で麻疹の流行が認められ, その数年後にSSPEが発生していた.したがって, 本県の予防接種率の低下がSSPE発生頻度の高い要因である可能性が考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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