脳と発達
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31 巻, 1 号
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  • 鴨下 重彦
    1999 年 31 巻 1 号 p. 2
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 前川 喜平, 阿部 敏明
    1999 年 31 巻 1 号 p. 3-13
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 特に効果不十分であった症例について
    田辺 卓也, 鈴木 周平, 島川 修一, 山城 國暉, 玉井 浩
    1999 年 31 巻 1 号 p. 14-20
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    けいれん重積状態あるいは発作群発状態に対してdiazepam (以下DZPと略す) 無効の場合の第二選択薬としてlidocaineを使用した.対象12例中, 著効し発作の再発を認めなかった症例が3例, 有効で一時的に発作抑制されたが維持療法中に再発した症例が4例, 無効が3例, 増悪が2例であった.維持療法中に発作が再び出現した4例中3例では, lidocaine使用前に比し発作型および発作時脳波所見が全般化した.Lidocaineは効果が一時的であったり発作を全般化させることも多いので, 少量で短期投与にとどめること, 一旦効果があっても維持療法中に再発した症例は増量を試みるのではなく直ちに他剤に変更することが必要と考えられた
  • 中村 美樹, 下泉 秀夫
    1999 年 31 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    当センターで長期に経過観察している二分脊椎患者43例の社会生活の現状と合併症を報告した.現在18歳以上の23名中, 職業を有し社会生活が自立している者は14名 (61%) だった.中・高校生では, 9名全員が養護学校に通学, 小学生では, 9名中3名が養護学校, 6名が普通学校に通学していた.社会生活が自立している者の85%が独歩可能だった.知能指数70以上の群が自立して職業に就いている者が多く, 70未満の群では作業所通所, 養護学校通学が多かった.排尿管理では, 自立した社会生活を送っている14名中9名 (64.3%) が自然排尿または圧迫排尿を行っており, 器具や特定の場所を必要とする自己導尿は3名 (21.4%) にとどまっていた.自立した社会生活を送るためには, 障害の重さだけではなく, 社会での受け入れが重要である.
  • 平安 京美, 仲田 行克, 高江洲 悦子, 神谷 鏡子, 平山 清武
    1999 年 31 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    沖縄県で, 1970年から1996年の27年間に発生した亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) について調査した.確認されたSSPEは10例 (男児7例, 女児3例) で, 全例麻疹ワクチン接種歴はなく麻疹罹患歴があり, 8例が2歳未満で麻疹に罹患していた.麻疹罹患年に関しては, 1973年が2人, 1990年が3人と集中する傾向にあった.沖縄県のSSPEの発生頻度は, 27年間で人口100万人あたり年平均0.31人と全国調査の結果 (0.13人) に比べ高率であった.1980年から1994年までの本県の予防接種率は平均48.7%と全国平均の69.3%に比し低く, 数年周期で麻疹の流行が認められ, その数年後にSSPEが発生していた.したがって, 本県の予防接種率の低下がSSPE発生頻度の高い要因である可能性が考えられた.
  • 入江 紀夫
    1999 年 31 巻 1 号 p. 32-37
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    大阪府東大阪市 (人口約50万人) において, 1988年から1992年の5年間の発達障害の発生状況について検討を行った.主な発達障害の出生千人あたりの発生率は, 脳性麻痺30名, 1.20, 重症心身障害21名, 0.84, 自閉性障害26名, 1.04, 精神遅滞268名, 10.7, Down症候群25名, 1.00, であった.脳性麻痺では63%が未熟児で, 特に超未熟児が20%を占めた.重症心身障害の地域療育では, 医療的ケアに対する理解の重要性が増している.精神遅滞に占める自閉性障害の割合は8.6%で, 高機能の自閉性障害の把握は施設の性格から不十分であった.療育施設の医療機能により, 地域における継続的な発生状況の把握・検討が可能であると考えられた.
  • 栗原 まな, 熊谷 公明, 野田 洋子, 中江 陽一郎
    1999 年 31 巻 1 号 p. 38-43
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    後天性脳障害で入院リハビリテーションを行い, 就学した小児72例の就学後の状況について, 就学先 (養護学級30例, 特殊学級9例, 普通学級33例) ごとに検討した.
    養護学級群は脳炎脳症後遺症が多く, 歩行不能, 重度精神遅滞, てんかん合併が多かった.普通学級群は脳血管障害・頭部外傷後遺症が多く, 歩行不能は2例, 精神遅滞は4例にすぎなかったが, 学習上の問題延べ38例, 日常生活動作の問題延べ23例等, 学校生活での問題は少なくなかった.
    各群ともに福祉機器の利用により日常生活動作の改善が得られていた.後天性脳障害児の就学に対し, 福祉機器の導入と地域サポートシステムの重要性を強調た.
  • 今井 祐之, 田中 学, 浜野 晋一郎, 奈良 隆寛, 前川 喜平
    1999 年 31 巻 1 号 p. 44-47
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    埼玉県立小児医療センターで経験した小児多発性硬化症5例と急性散在性脳脊髄炎など類縁疾患3例を比較検討した.
    多発性硬化症では, 急性脳炎様の初発症状を3例に認め, 髄液の細胞数の増加もみられた.炎症所見では, 多発性硬化症と類縁疾患で差はなかったが, 髄液NSE活性は類縁疾患で高い傾向を示した.
    頭部MRIでは, 多発性硬化症の2例に初期から多巣性の白質病変が認められた.別の2例では初回のMRIは正常で再発時に異常が出現した.多発性硬化症と類縁疾患の鑑別は, 臨床症状や炎症所見だけでは困難であり, MRIが有効だが, 最低5年間のフォローアップは必要と考えられた.
  • 田草 雄一, 須貝 研司, 佐々木 征行, 平野 悟, 花岡 繁, 橋本 俊顕, 久保田 雅也, 清水 弘之
    1999 年 31 巻 1 号 p. 48-53
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Epilepsia partialis continuaはKojewnikow症候群とも呼ばれ, 焦点性部分運動発作が持続して出現する状態をいう.しかし, その発作焦点についてはなお一定の見解がない.我々は難治性のKojewnikow症候群を呈した17歳男児例を経験し, 発作焦点について検討した.発作間欠期脳波, 発作時脳波, lerk-locked averaging, 発作時SPECTでは左中心部の焦点を示したが, giant SEPにより一次感覚野の皮質の興奮性の高まりもみられた.脳磁図と皮質脳波によって発作焦点は中心溝の前後にあり, 一次運動野と感覚野の両方の比較的広い範囲にあることを認めた.外科的治療により改善させることができた.術前の発作焦点の同定には脳磁図の精度が最も高かった.
  • 津留 智彦, 野崎 靖之, 小林 葉子, 水口 雅, 桃井 真里子
    1999 年 31 巻 1 号 p. 54-58
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    眼筋麻痺性片頭痛の9歳女児例を報告した.発症は2歳6カ月で, この時は左眼瞼下垂と斜視が約2週間続いた.5歳までの発作は頭痛や嘔吐を伴わなかった.5歳以後の発作では, 頻回の嘔吐を伴う激しい左眼窩痛と, 引き続く左眼瞼下垂と左外眼筋麻痺 (左動眼神経麻痺) を呈した.7歳から発作間激期にも完全には回復せず, 左動眼神経麻痺が残存した.9歳時の頭部MRIでは, 非発作時に左動眼神経の腫大と造影効果を認めた.発作時には動眼神経の腫大がさらに強まった.
    小児期に眼瞼下垂, 外眼筋麻痺を呈した場合, 眼筋麻痺性片頭痛を鑑別診断に入れ, 造影MRIを施行して動眼神経の病変を観察する必要がある.
  • 奥村 彰久, 加藤 徹, 早川 文雄, 久野 邦義, 渡辺 一功
    1999 年 31 巻 1 号 p. 59-62
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    一卵性双生児にほぼ同時に発症した「軽症下痢に伴うけいれん」を報告した.症例はともに1歳2カ月の男児で, けいれん発症の前日から胃腸炎症状を認めていた.まず, 第1子がけいれんを起こした直後に第2子がけいれんを起こした.Diazepamとphenobarbitalとを投与したが, 第1子は合計6回, 第2子は合計4回のけいれんを起こした.一卵性双生児にほぼ同時に発症したことから, 素因を持った個体に胃腸炎といった誘因が加わった場合には, 再現性をもって「軽症下痢に伴うけいれん」が発症する可能性が示唆された.
  • 伊藤 康, 宍倉 啓子, 鈴木 陽子, 平野 浩一, 舟塚 真, 平野 幸子, 今泉 友一, 粟屋 豊, 大澤 真木子
    1999 年 31 巻 1 号 p. 63-69
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は1歳5カ月の一卵性双生児の女児.侵害刺激に対し啼泣, 逃避, 払いのけ, 情動反応等を示さず, 外傷, 自咬症, 火傷を反復し, 明らかな痛覚消失の臨床像を呈した.温冷覚, 触覚, 味覚は認知していると思われ, 発汗減少および発作性発熱は認めなかった.感覚神経伝導速度 (SCV), 運動神経伝導速度 (MCV), 体性感覚誘発電位 (SSEP), 脳幹聴覚誘発電位 (BAEP), 脳波 (EEG) 等の神経生理学的検査も正常であった.腓腹神経生検では, 小径有髄線維の減少が認められ, 無髄線維では正常~ 軽度減少の所見であった.以上よりDyckの分類による遺伝性感覚自律神経性ニューロパチー (hereditary sensory and autonomic neuropathy; HSAN) V型と診断した.HSANV型は, 報告例が極めて少なく, 本邦では初の報告となる.
  • 山田 謙一, 郡司 哲己, 松井 俊晴
    1999 年 31 巻 1 号 p. 70-74
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    臭化ピリドスチグミン, 副腎皮質ホルモン剤による治療に抵抗性を示したが, A型インフルエンザ感染を契機に症状の急速な改善を認めた眼筋型重症筋無力症の男児を経験した.経過中の末梢血リンパ球サブセットでは, 治療開始後にCD3, CD4, CD4/CD45RA陽性細胞が増加し, 感染後は減少した.逆にCD19陽性細胞は治療後に減少し, 感染後は増加していた.インフルエンザ感染により免疫学的変化がおこり, 症状の改善がもたらされたと推測した.
  • 池田 佐和子, 渡辺 徹, 佐藤 雅久
    1999 年 31 巻 1 号 p. 76-79
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    外傷性髄液漏は, 反復性細菌性髄膜炎の重要な原因の1つである.我々は, 外傷性髄液鼻漏による反復性細菌性髄膜炎の2例を経験したので報告する.
    症例1;1歳, 女児.箸で鼻腔を穿刺した後反復性細菌性髄膜炎を発症.病歴より髄液漏と診断し脳外科的に欠損部位を修復した.
    症例2;5歳, 女児.頭部外傷後, 4回の反復性髄膜炎を発症.3D-CTで骨欠損部位を同定し, 脳外科的に修復した.
    3D-CTは, 受傷部位が明らかでない外傷性髄液漏に対する有効な検索手段の1つであると思われた.
  • 三宅 進, 村尾 正治
    1999 年 31 巻 1 号 p. 82-84
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    偶然多発性嚢胞状陰影を認めた男児を報告する.家族歴, 分娩歴に異常なし.高ビリルビン血症で光線療法を施行された.2歳8カ月時単純性熱性痙攣あり.4歳1カ月時脳振盪で入院し, 頭部CTで左側脳室周囲に小円形, 管状低吸収陰影を認めた, MRIではT1, T2, プロトン強調像で髄液と同じ輝度の多数の小円形, 管状陰影が同様に認められ, これらが穿通動脈の走行の分布と似ていることから異常に拡大したVirchow-Robin腔と診断した.7歳まで経過観察したが5歳で脳波上てんかん波が認められた以外, 発達は正常であった.Virchow-Robin腔の拡大機序がさらに研究されるべきと思われた.
  • 関東地方会 , 甲信越地方会
    1999 年 31 巻 1 号 p. 88-99
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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