脳と発達
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奇形の分子遺伝学
新川 詔夫
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1999 年 31 巻 2 号 p. 105-113

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抄録
従来不明であった種々の先天奇形症候群の原因が, ゲノム医学の発達によって明らかにされつつある.奇形のように, 生化学的基盤の不明な疾患へのアプローチとして有用なのが, 候補遺伝子法, 位置的クローニング法, および位置的候補遺伝子法などの逆行遺伝学的技術である.各々利点と欠点があるものの, 奇形の分野では実用・多用されている.本項では各手法について実際例に基づいて解説した.このようなアプローチは臨床家→ 分子遺伝学研究者→ 臨床研究者の連鎖で成し遂げられたものであり, 同様の技術と人の連鎖によるアプローチは原因不明の小児神経疾患に対しても有効だと思われる.
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© 日本小児小児神経学会
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