1999 年 31 巻 6 号 p. 535-541
画像上病変の明らかな出産時の重症低酸素性脳症の2例に, 1-2カ月の超早期から新生児医療と連携し, Vojta法による治療を実施した. 自発運動, 姿勢反応, 神経学的所見および画像所見の経過を観察したところ, 初診時認められたアテトーゼ型脳性麻痺や発達遅滞 (萎縮) のリスク所見が各々の症例で消失した. 画像上異常所見のある出産時障害で超早期治療が可能な症例の中には, 治療効果が期待できる可能性があり, 病的な臨床症状が明瞭化する以前に, 早期から治療開始した方がよいと考える.