脳と発達
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幼児びまん性軸索損傷の1例
安西 有紀大矢 達男
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2002 年 34 巻 6 号 p. 504-509

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抄録

近年MRIの普及によりCTのみでは不確実であった診断も, 迅速かつ正確に画像診断が可能となった。頭部外傷後びまん性軸索損傷 (DAI;diffuse axonal injury) もその一つである.小児科領域ではDAIは学童前期以降の比較的高年齢層に限られており, 乳児の報告は非常に稀である.外傷後意識障害や一過性のけいれん, 約半日の人工呼吸管理を要したが経過順調で, 後遺症を残さず回復した1歳9カ月の幼児DAI症例を経験したので報告する.DAI症例において小児では成人より軽症例が多い.その理由として交通事故の頻度, 脳内の密度, 未完成の骨縫合のためなどの要因が考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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