脳と発達
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けいれんに対するlidocaine静注および点滴静注の有効性の検討
杉山 延喜浜野 晋一郎望月 美佳田中 学衛藤 義勝
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2004 年 36 巻 6 号 p. 451-454

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抄録

Lidocaineのけいれんに対する有効性を検討した.Lidocaineが投与された症例は29例 (男12例, 女17例) で, 投与機会は38機会であった.平均投与時年齢は41.4カ月で, 全体の有効率は53%であった.静注での有効機会では全機会で5分以内にけいれんの消失を認めた.原因疾患別に有効率を検討したところ, てんかんは36%, 中枢神経感染症によるけいれんは72%, 機会関連発作は80%の有効率だった.発作型別では, 全般けいれんは42%, 部分けいれんは63%であった.軽症下痢に伴う機会関連発作と部分けいれんで有効率が高かったが統計学的には有意差はなかった.副作用は1例で, 酸素飽和度の低下を認めるのみであった.けいれんに対するlidocaineの投与は効果判定が早期に可能なことと副作用も少ないことから, けいれん時の使用薬剤として投与選択順を早期に考慮してよいと思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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