2006 年 38 巻 4 号 p. 271-276
発達障害児 (者) のニーズを明らかにする目的で, 施設利用者の保護者を対象にアンケートを実施した. 利用者の現在の状態は国際生活機能分類 (ICF) によって記述した. ICFに基づき社会参加の到達度によって利用者の群分けをしたところ, 到達度の高い群は若年者に多かった. 到達度の固定した群は通所更生施設や作業所の利用者に多く, 保護者はグループホームでの生活と同時に現在の施設の継続利用を望んでいた. 専門医療に対する要望は回答者全般で高かった. 発達障害児 (者) を支援二するためには, 医療の専門家は利用者側のニーズと自身が必要と判断した支援の内容を比較することに加えて, 医療面での支援を充実させる社会的な取り組みが必要と考えた.