脳と発達
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刺激モダリティ別事象関連電位N400の発達と読字障害における特徴
意味カテゴリー一致判断課題による検討
小穴 信吾稲垣 真澄鈴木 聖子堀本 れい子加我 牧子
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2006 年 38 巻 6 号 p. 431-438

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抄録

6-30歳の健常例38名と10-14歳の発達性読み書き障害8例に対して事象関連電位N400の刺激モダリティ別特徴を検討した.10歳未満の健常年少群は聴覚性N400が広汎な脳部位で記録された.10歳以上では視覚モダリティと視聴覚モダリティによる波形がほぼ同じパターンを示したことから, 小学校高学年以降に視覚的な意味処理が確立することがうかがわれた.読み書き障害では視覚提示のエラーが比較的目立ち, N400波形が形成不良であった.一方, 視聴覚モダリティではN400波形, 潜時ともに正常化した・事象関連電位N400により, 意味処理機構の刺激モダリティ別優位性や脆弱性を評価しうると考えた

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© 日本小児小児神経学会
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