脳と発達
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臨床的脳死判定後にCushing現象を認めた幼児例
榎 日出夫
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2007 年 39 巻 1 号 p. 27-31

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抄録
サルモネラ脳症の幼児脳死例につき, 自発呼吸停止前後の脳波と聴性脳幹反応 (ABR) を経時的に記録し, 臨床所見の変化と併せて検討した-症例は1歳2カ月の女児-発熱に伴いけいれん重積症をきたし, 深昏睡が持続した.第5病日に自発呼吸が停止し, 呼吸管理を行った. 脳幹反射は消失. 脳波は平坦で, ABRは1波のみ誘発された. 呼吸停止後14時間から18時間の間にCushing現象が出現し, 血圧と脈拍数が同時に上昇した. 第6病日の脳波も平坦で, ABRは無反応.脳幹反射が消失, 脳波が平坦, ABRの中枢成分が消失し, 呼吸停止後14時間を過ぎた時点において, 脳幹の一部が活動していた可能性が示された.
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© 日本小児小児神経学会
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