脳と発達
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発達障害児の保護者による「気づき」の検討
秋山 千枝子堀口 寿広
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2007 年 39 巻 4 号 p. 268-273

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抄録

発達障害児の保護者を対象に, 子どもの発達に対する問題, 不安や心配など「気づき」の生じた時期や内容, 相談の有無と相談機関の特徴を調査した. 53家族の回答を対象児の診断により分類したところ, 広汎性発達障害では1歳から1歳半, 精神遅滞では3歳で「気づき」があり, はじめての相談につながっていた. 1歳半時の心配や相談行動の有無が, 2歳時の心配や相談に関連していた. 支援者は保護者の「気づき」の特徴やその後の担談行動が診断により異なる可能性と, 発達の各段階で「気づき」が複数回生じることを知る必要がある. また, 家族への継続した支援を提供するためには, 既存の健診の充実に加え, 他機関との連携が必要である.

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© 日本小児小児神経学会
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