脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
地球と時と時間遺伝子
岡村 均
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 40 巻 2 号 p. 97-102

詳細
抄録

億年前, 自転する地球に現れた生物は, 巨大な発光体である太陽から周期的にエネルギーを得, また, それによる障害から個体を守るため, 体内で時間システムを進化させてきた.これが, 時間形成に特化した時計遺伝子であり, それが形成する生物時計である.これは, ヒトにおいても時間機構の骨格をなし, 近年の時計遺伝子の研究により, 近年の生活スタイルの激変に伴うリズム障害が, 睡眠異常のみならず, うつ病, メタボリック症候群, 発癌などさまざまな疾病の要因となりうることが明らかになりつつある.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top