脳と発達
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小児にみられる一側発作についての臨床脳波学的研究
神尾 守房杉田 隆博
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キーワード: 一側発作, 片側痙攣
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1974 年 6 巻 3 号 p. 198-206

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抄録

小児期に特異にみられる一側発作についての研究は極めて少ない.私達は33例についてその臨床症状及び脳波について検討した.その結果, 一側発作には, 中心皮質下に異常焦点があり一側半身の全般性痙攣をおこす型と, 一側皮質又は皮質下の局所に焦点があり, その興奮を中心脳に伝搬して更に一側半球に同時に発作放電を投射し, 片側痙攣をおこしてくる型とがあり, 半側汎化の中心は, 大脳中央部皮質下であることが推察出来た.そしてその発症には基礎に脳幹及び左右半球の連絡路を含めた脳全般の発達の末熟性が必要と思われる.てんかん分類上の位置づけについては, 現在の所分類不能のてんかんの中に入れておくのが妥当と考えるが, 強いて分類すれば, 国際分類の如く一つの独立した発作型にせざるを得ないように思う.

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© 日本小児小児神経学会
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