脳と発達
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先天性水頭症児における髄液中の量的脂酸構成
生命予後との相関性から
小野 寺良久伊東 洋三輪 哲郎刑部 利雄小池 麟一郎
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1975 年 7 巻 1 号 p. 23-28

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抄録

1. 先天性水頭症々例15例について, 短絡手術を施行し, 術前ならびに術後3週間目の髄液中の量的脂酸構成を検討した.
2. 術前の水頭症々例の髄液中各脂酸含有量は正常例に比べて全般的に増加する傾向を示した.また髄液圧が150mm H2O以上の症例はこれ以下の症例に比べて, C16より短鎖脂酸の含有量の合計と各脂酸の含有量の総計において高値を示した.
3. 予後不良例は予後良好例に比べて, 術後3週間目の髄液において, C16より短鎖脂酸の含有量の合計と各脂酸含有量の総計で明らかな増加を認めた.
4. 先天性水頭症において, 短絡手術後一定間隔で髄液中量的脂酸構成を比較検討することは予後の判定に役立つものと考える.

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© 日本小児小児神経学会
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