1976 年 8 巻 5 号 p. 394-400
失神類似の意識消失発作をきたした小児45例について臨床的脳波学的検討をおこなった.発症年齢は6ヵ月から12才までに分布していた.痙攣の既往を23%に認めた.推定原因を有している症例が42%あり, その中24.5%が周生期異常であった.
意識消失発作の時間は数分から数十分で, チアノーゼを伴い, 四肢は弛緩または不変, 頭痛, 嘔気等を高率に合併し, 後睡眠を伴う.脳波は, 背景脳波の異常を67%に認め, 棘徐波結合が多い.抗痙攣剤によく反応し予後は良好であった.