大阪歴史博物館研究紀要
Online ISSN : 2435-8622
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中世の四天王寺旧境内遺跡
松尾 信裕
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2020 年 18 巻 p. 37-52

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抄録
飛鳥時代に創建された四天王寺の周辺には古代から近世まで遺構が発掘調査で見つかっている。四天王寺周囲には中世には門前町が形成され、15世紀末には「天王寺は七千間在所」とまで言われた都市的な様相を見せていたとされている。その姿を四天王寺境内の周囲で行われた発掘調査の成果から検討した。境内の東部や北部では区画の大溝が見つかるが、それらは時期が新しくなるにつれ、境内に近づいてきた。また、地形的な制約から、町として広がることはなかったと推定した。境内の西部では建物の柱穴が多く見つかり、多くの掘立柱建物が建ち並ぶ町場と推定できた。その出現は平安時代に遡り、室町時代には完成した街区となっていたと想定した。
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