大阪歴史博物館研究紀要
Online ISSN : 2435-8622
Print ISSN : 1347-8443
江戸時代から明治時代にかけての大阪の菓子店の立地変遷について
産業マップの検討を通して
杉本 厚典
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2023 年 21 巻 p. 19-42

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抄録
江戸時代から明治時代の『買物案内記』をもとに、菓子店の分布とその変化について検討した。その結果、安永期(18世紀後葉)の菓子店の分布が北船場に偏るが、文政期~明治期(19世紀)にかけて市中一円に分布するように変化することを示した。その背景として安永期までの菓子店が得意先を富裕層の多い北船場に求めたのに対し、文政期以降、砂糖の供給量が増加するにつれて、金米糖、砂糖漬け等、菓子が普及し、富裕層以外へも菓子の消費者層が拡大したことによって、大坂の町中に菓子店が拡がったと推測した。
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