岡本医学雑誌
Online ISSN : 2758-5395
Print ISSN : 2758-528X
原著
人間ドック腹部超音波検査における現状と課題
杉山 奈緒 桂田 紀子高垣 敦史眞鍋 浩子
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2023 年 1 巻 p. 5-8

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抄録

2021年4月から2022年3月までの人間ドック腹部超音波検査受診者1,521例を,腹部超音波検査検診判定マニュアル(改訂版)2021年に準じて判定区分を行った結果,有所見率は臓器別では肝臓が76.0%と最も高く,その中でも脂肪肝が581例と多く見られた.また,精密検査を受診した32例の追跡調査を行った結果,20例が超音波検査と精密検査結果が一致し,その中でも膵疾患である膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm:IPMN)が最も多く見られた.また,12例が不一致あるいは精密検査で異常なしという結果になり,その中では肝血管腫や総胆管拡張が多く見られた.今回の調査より,短時間で対象臓器を観察できる技量を身につけ,また精査が必要な病変が描出できていたとしてもそれを見逃さないための高い能力がさらに必要になると考えられた.

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© © 2023 社会医療法人 岡本病院(財団)
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