岡本医学雑誌
Online ISSN : 2758-5395
Print ISSN : 2758-528X
原著
院内でのClostridioides difficile感染症におけるtoxigenic cultureの運用に向けての検討
石田 瑞稀 岩根 文男眞鍋 浩子
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2023 年 1 巻 p. 1-4

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抄録

Clostridioides difficile感染症(CDI)は,トキシン産生C. difficileが腸炎や下痢症を引き起こす感染症である.抗原検出法でグルタメートデヒドロゲナーゼ(以下GDH)陽性・トキシン陰性の場合,偽陰性と非産生株を区別できず,CDIであるかどうかの判断が難しい.このため,toxigenic cultureあるいはトキシン遺伝子検出法を行うことが推奨されており,院内でのtoxigenic cultureの運用に向けて検討を行った.GDH陽性・トキシン陰性の検体17件を培養し,発育した14件に対しトキシン抗原検出法と自家調製試薬によるToxinBのPCR法を実施した.48時間培養後のコロニーでは14件中,PCR法は7件が陽性となり,トキシン抗原検出法は6件が陽性で1件抗原検出法では検出できなかった.院内でのCDI検査の運用は,従来の抗原検出法にてGDH陽性・トキシン陰性の場合,toxigenic cultureを実施とした.トキシン検出法はPCR法で行い,CDI診断・治療に役立てていきたい.

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