岡本医学雑誌
Online ISSN : 2758-5395
Print ISSN : 2758-528X
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原著
  • 石田 瑞稀, 岩根 文男, 眞鍋 浩子
    原稿種別: 原著
    2023 年 1 巻 p. 1-4
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/15
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    Clostridioides difficile感染症(CDI)は,トキシン産生C. difficileが腸炎や下痢症を引き起こす感染症である.抗原検出法でグルタメートデヒドロゲナーゼ(以下GDH)陽性・トキシン陰性の場合,偽陰性と非産生株を区別できず,CDIであるかどうかの判断が難しい.このため,toxigenic cultureあるいはトキシン遺伝子検出法を行うことが推奨されており,院内でのtoxigenic cultureの運用に向けて検討を行った.GDH陽性・トキシン陰性の検体17件を培養し,発育した14件に対しトキシン抗原検出法と自家調製試薬によるToxinBのPCR法を実施した.48時間培養後のコロニーでは14件中,PCR法は7件が陽性となり,トキシン抗原検出法は6件が陽性で1件抗原検出法では検出できなかった.院内でのCDI検査の運用は,従来の抗原検出法にてGDH陽性・トキシン陰性の場合,toxigenic cultureを実施とした.トキシン検出法はPCR法で行い,CDI診断・治療に役立てていきたい.

  • 杉山 奈緒, 桂田 紀子, 高垣 敦史, 眞鍋 浩子
    原稿種別: 原著
    2023 年 1 巻 p. 5-8
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/15
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    2021年4月から2022年3月までの人間ドック腹部超音波検査受診者1,521例を,腹部超音波検査検診判定マニュアル(改訂版)2021年に準じて判定区分を行った結果,有所見率は臓器別では肝臓が76.0%と最も高く,その中でも脂肪肝が581例と多く見られた.また,精密検査を受診した32例の追跡調査を行った結果,20例が超音波検査と精密検査結果が一致し,その中でも膵疾患である膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm:IPMN)が最も多く見られた.また,12例が不一致あるいは精密検査で異常なしという結果になり,その中では肝血管腫や総胆管拡張が多く見られた.今回の調査より,短時間で対象臓器を観察できる技量を身につけ,また精査が必要な病変が描出できていたとしてもそれを見逃さないための高い能力がさらに必要になると考えられた.

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