抄録
近年乾燥肌で多くの人が悩む中、皮膚の機能の一つであるバリア機能を保つことが重要になっている。肌の保湿はそのバリア機能の指標の一つであるが、現在液体入浴剤の連日使用による肌の保湿性の評価については報告されていない。
本研究ではカチオン化セルロースの一種であり、シャンプーや入浴剤等に広く配合されているポリクオタニウム-10とその他の保湿成分を配合した液体入浴剤(保湿入浴液ウルモア®)を2週間にわたって連日使用した際の肌の保湿性を検討した。
その結果、淡水浴と比較してポリクオタニウム-10とその他の保湿成分を含む製剤浴では10日、14日後の角質水分量(SCWC)の減少と表皮水分蒸発量(TEWL)の上昇を有意に抑制した。これは季節的要因により進行した肌の乾燥を、浴用剤による角質層の保護効果により抑制したことが要因であると考えられる。このことから、製剤の連用が肌の保湿に有用であると結論付けた。