音声研究
Online ISSN : 2189-5961
Print ISSN : 1342-8675
研究論文
日本人英語学習者の音声単語認知における語強勢の典型性効果 : ゲーティング課題による検証
天野 修一
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 16 巻 3 号 p. 14-27

詳細
抄録

英語の2音節名詞は第1音節に強勢を持つ語が大多数であり,2音節動詞は第2音節に強勢を持つ語が多い。このような傾向は語強勢の典型性と呼ばれる。先行研究ではゲーティング課題により,英語母語話者及び学習者が,典型的な強勢型の語を非典型的な強勢型の語よりも短い提示時間で認知することが示された。しかし,学習者の聴解力の影響など未検証の課題も残された。そこで本研究では,学習者の第一言語を日本語に統一し,聴解力上位群と下位群の比較を含めた再検証を行った。その結果,日本人英語学習者はやはり音声単語認知の際に語強勢を手掛かりとして利用しており,典型的な強勢型の語を非典型的な語よりも短い提示時間で認知することがわかった。また聴解力は典型性効果の度合いに影響を及ぼすことが明らかになった。

著者関連情報
© 2012 日本音声学会
前の記事 次の記事
feedback
Top