帯広大谷短期大学紀要
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揚げ物の吸油量、脱水率、温度変化および重量変化について
柴山 真理子植田 志摩子
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1990 年 27 巻 p. 7-15

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抄録

サラダ油、べに花油およびコーン油について、揚げ物の種類や材料の違いによる吸油量、脱水率、温度変化および重量変化を検討した。結果は下記のとおりであった。1.吸油量の多かったのは、えびの春雨揚げ、ついでさつまいもの天ぷらおよびいかの天ぷらの順であったが、少なかったのは素揚げ・じゃがいも拍子木切り、ついで鶏のから揚げおよびコロッケであった。2.脱水率の高かったのは、水と油の接触面積の大きい素揚げ・じゃがいも輪切り、ついで拍子木切りおよび鶏のから揚げの順であったが、逆に低かったのは、衣で周囲が保護され、しかも衣からの水分蒸発が少ないえびの春雨揚げ、ついでホッケフライおよびコロッケであった。3.コロッケの内部温度が最も低く55℃であり、中身は加熱処理をしたものを用いる必要があると思われた。4.最下時温度が最も低い値を示した素揚げ・じゃがいも輪切りは脱水率が最も高く、逆に最下時温度が最も高い値を示した鶏のから揚げ(2度目)は脱水率が低かった。5.重量減少の著しかったのは、衣で保護されず、かつ表面積の大きい素揚げ・じゃがいも輪切りおよび拍子木切りであった。増加のあったのは、衣から水分蒸発の少ないえびの春雨揚げおよびホッケフライであった。6.脱水率が高く吸油量の少ないものほど重量減少が著しく、三者の間には関連性が認められた。7. 3つの油については明らかな差は認められなかったが、吸油量と内部温度ではサラダ油がやや高い値であり、衣揚げの脱水率と最下時温度ではコーン油がやや高かった。

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© 1990 帯広大谷短期大学
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