帯広大谷短期大学紀要
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新聞に認められる食物語彙について 第II報
吉田 優子池添 博彦
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1991 年 28 巻 p. A19-A37

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抄録
1.新聞に認められる食物語彙について分析した。2.新聞は4月および10月に刊行された、地方紙および全国紙を使用した。3.資料として用いた新聞の総頁数は2495頁で、記事および広告の割合は各々1372.56頁と1122.44頁である。4.検索された食物語彙は記事欄で19844語、広告欄で3985語、合計23869語である。新聞一頁当りの食物語彙量は9.6語である。5.'水'、'大豆'、'小豆'、'糖'、'穀物'、'米'、'魚'、'ホタテ'、'ニシンは北海道の新聞に多く'ミカン'、'タケノコ'、'玉ネギ'、'メロン'、'野菜'、'キャベツ'、'ピーマン'、'生シイタケ'、'鶏卵'、全国紙に多く認められる語彙である。6.'ミカン'、'イチゴ'、'メロン'、'卵'、'鱒'、'ニシン'、'サバ'。'イカ'、は4月の新聞に多く、'米'、'リンゴ'、'ナシ'、'ブドウ'、'キノコ'、'鮭'、'サンマ'、'砂糖'は10月の新聞の多く見出される語彙である。7.'米'、'水'、'鮭'、'大豆'、'酒'、'小豆'、'砂糖'、'ビール'、'牛肉'、'ゼリー'、'リンゴ'、'卵'、'イモ'、'魚'、'牛乳'、'油'、'マグロ'、'ジャガイモ'、'茶'、'ナシ'、'玉ネギ'、'野菜'、'ミカン'は新聞に多く認められる語彙である。8.'水'、'大豆'、'小豆'、'砂糖'、'イモ'、'ジャガイモ'、'大根'、'キャベツ'、'ナス'、'長ネギ'、'ピーマン'、'ゴボウ'、'マグロ'、'ホタテ'、'サンマ'、'カレイ'、'タコ'、'ウニ'等の野菜、豆、芋などの農産物と水産物は新聞の記事欄に現われる割合が大きい。9.'ゼリー'、'ミルク'、'茶'、'ノリ'、'ミソ'、'ミソ汁'、'パソ粉'、'チョコレート'、'ウイスキー'、'ビール'、'乳製品'は広告欄の方に多く認められる食物語彙である。10.新聞に現われる頻度の高い1位より8位までの食物語彙は'米'、'水'、'鮭'、'大豆'、'酒'、'小豆'、'砂糖'、'ビール'の順である。前報の結果は'酒'、'米'、'鮭'、'ビール'、'ワイン'、'大豆'、'野菜'、'小豆'でほぼ同様である。11.食物の同物異名を調べた。'牛乳'は記事で多くみられるが、広告では'ミルク'の方が多かった。'バレイショ'と'ジャガイモ'は共に記事および広告で認められるが、'ジャガイモ'の方が約3倍も多く使用される。12.記事に較べて広告では、油、漬物および鍋ものを表わす各種別食物名が多く使用されている。
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© 1991 帯広大谷短期大学
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