抄録
保育士養成課程に課せられた必修授業科目の中に『身体表現』がある。帯広大谷短期大学におけるこの科目では、将来保育士を目指す学生たちが「創作リズム体操」の創作をしている。このリズム体操は、幼児(主に4・5歳児)を対象としたもので、タイトルから体操、音楽に至るまで、学生たちがオリジナルで創りあげるものである。この授業では、「創作リズム体操」の創作の過程において、学生たちが幼児期における運動遊びの意義と内容を学び、発育・発達の段階に応じた運動遊びについての指導法を習得することを目的としている。本稿では、リズム体操の創作について順に示しながら、現在の学生たちが将来保育者となった際に必要な運動技能と知識の習得方法について考えるものとする。また、学生が創作活動をすすめる中から見えてくる学生たちが抱えている生活体験・経験の不足とコミュニケーション能力の低下などについての考えをまとめた。